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「青い春」 松田龍平の顔を見ていると、なんだか落ち着かない気分になる。 独特の細い目、丸い顔、横から見ても丸い頭。 けして人好きのする顔ではないのだけれど、なんだか気になる。忘れられない。 それがきっと彼を映画俳優にしているのだろう。 そんな松田龍平よりも、よっぽどわかりやすい顔をしている高岡蒼甫。 わかりやすいカッコよさ。 整った眉毛、へこんだ目と鼻の間、しっかりした顎。 わき役の一人だが、彼は大変目立っていた。 ストーリーはぐだっとしている。 毎日のぐだぐだ感がリアルそうに見えてリアルじゃない線引きがいい。 どこかの誰かの現実であったはずだけど、自分の現実ではないという映画。 というジャンル。 特に学生時代ものだと、「こういう青春おくりたかった!」という懐かしさがブワって被さってきて多くの人の共感を得られる。 マンガで言うと早稲田ちえ辺りがそのライン。 しかし、ミッシェルガンエレファントの曲が全編を通して流れているところだけはいただけない。 音楽で持ってこうという感じなのかもしれないが、 曲で世界観作る際の最もやってほしくないパターン。 特定のアーティストもしくは有名曲で世界観作るパターン。 それ以外はとてもいい。 一見区別がつかなくなりそうな不良というカテゴリーをうまく演じている役者も、無理のないカメラワークによる現実感も、安定して見れていい映画である。 「ぶらんこ乗り」 文体には目線がある。 それは作者の目線になるわけだが、これを作者と認識させない見事な文を書く作家もいる。 いしいしんじ氏もその一人であることに疑いはない。 この物語は、 高校生の私 幼い日の私 幼い弟 と文体を書き分けつつ進むのだが、そのどこかにいしいしんじがいると思わせつつ、しかし読者の手をするっと抜けていくような感覚に襲われる。 しかもこの年齢を書き分ける手法が実に見事なのだ。 自分が幼い頃、こういう感じでものを考えていた。こんな感じの文章をつづっていた。 と思えてしまうのである。 彼の中にはきっと幼いころの彼自身が今もまだ住んでいるに違いない。 本当は誰の中にも住んでいるのかもしれないが、そんな小さい頃の私の出番など現代生活には不要なのである。 だからみんな幼いころの自分をどこかに閉じ込めて、今日明日を生きていく。 しかし、彼・彼女がどこかにいるのだとしたら……。 いしいしんじ氏の物語には、その閉じ込められた子供たちを解放する力がある。 ぜひゆっくりと、時間をかけて読んでいただきたい話である。 毎年恒例の谷山浩子コンサート、「猫森集会」に行ってきた。
谷山ファンになって数年がたつが、コンサートは初めてである。 今日のゲストはローリー氏(ギター)。 コンサートタイトルは「ROLLYさんは妖しいキノコ」。 谷山ファンならこのタイトルで絶対に「意味なしアリス」を予想したはずだ。 私も予想した、そして当たった。 会場は全労災ホール・スペースゼロ。 ここを訪れるのも初めてなのだがなかなか好きなタイプのホール。 座席が好きなように設置できるという自由度もいいし、それなのに2時間ほど座っていてもお尻が痛くならない程度の椅子クオリティ。 ざっと、曲を書いておくと、 01.まっくら森の歌 02.風になれ~みどりのために 03.私の恋人(ローリー氏ソロ) 04.意味なしアリス 05.うみがめスープ 06.公爵夫人の子守歌 07.ハートのジャックが有罪であることの証拠の歌 08.石見銀山鼠捕り(ローリー氏持ち歌) 09.甘い誘惑(ローリー氏持ち歌) 10.俺は色男だ~ローリー様のテーマ(ローリー氏持ち歌) 11.第2の夢・骨の駅 12.そっくり人形展覧会 13.悪魔の絵本の歌 14.たんぽぽ食べて 15.あやつり人形 16.ねこの森には帰れない 17.楽園のリンゴ売り(アンコール) 3からローリー氏登場。 今回のセレクトは「黒い!」と谷山さん本人も言っているが、谷山浩子黒世界と言って間違いない。 ちなみに3以降のセレクトはローリー氏。 白ファンのために一応2が歌われたが、それでも黒い。 曲とトークのバランスもとてもよいし、谷山さんとローリー氏初のコンサートであるにもかかわらず二人の世界観が近くて面白い。 なにより生の谷山さんの声は素晴らしかった。 高い声なのに低音の伸びがすごいのである。 谷山さんの曲は、歌の途中に会話が挟まれるものが多いのだが、そのセリフ回しもとてもうまい。 声優としても、ぜひ何かやっていただきたい。 「誰も知らない」 あまり芸能人のネタには詳しくないけれど、主演の柳楽君がこの映画で賞を取ったということは知っている。 (最近、なんだかメディアを騒がしているようだけれど、好きなように生きたらいいと思うのでノーコメント) この映画の特筆すべき点は、子役四人が、すべて、もれなく自然な演技ができるというところ。 柳楽君だけがめだっているけれど、他の三人も負けてはいない。 家の中の食事の風景。 兄弟の言い争い。 テレビを見る様子。 外を眺める表情。 セリフ回しの自然さだけでも十分素晴らしいが、時に彼らが見せる「希望を見出せない表情」からは目が離せない。 兄弟四人の対比もいい。 男女二人ずつ。 上の二人はこの状況を分かっている。 下の二人はこの状況をあまり分かっていない。 でも四人とも、お母さんのことが大好き。 大好きで、嫌われたくなくて、みんなで一緒に暮したくて……。 自分にできることがなにもないから、ただ彼らは耐え続ける。 痛みも苦しみも、全部受け入れて耐える日々を送り続ける。 見ている私たちには悲しい物語に見える。 でも彼らの生活の中に描かれた、垣間見える幸せが、彼らの救いようのない現実を一つの家族の形にしてくれるのだ。
自転車を買ったら行動範囲が広がったので、ちょっと遠いが安いGEOに行けるようになった。
なので調子に乗って3本ほどレンタルしてしまう。 しかし、ここのGEOは昔の作品やメジャーでない外国作品がほとんどなくて悲しい。 今の私が一番見たいと思っていたのは「ポンヌフの恋人」なので。 とりあえず1本目。 「バッテリー」 出版当初、話題になっていたので読んだけれどまったく記憶に残らなかった小説。 映画化で、主人公があまりに美形なのにびっくりして気になってはいた。 子役が多いため演技の下手さが気になるとか、母親を悪く描く→ラストで仲良しという面白みに欠けるストーリーには目をつぶるとして……。 ライバルの設定は、まあよかったかな。 いいバッターと称されるライバル(4番)がいるわけだが、彼を守り立てるように少し嫌味でよくしゃべるバッター(5番)の立ち位置がとてもいい。 4番が絶対的にかっこいい尊敬できるライバルであるからこそ、いやな感じのする5番がストーリーをうまく進めてくれる。 キャストもイメージに合っている子たちで、かわいい。 とくに5番の子! 面白いか、っていうとまぁ見なくてもいい。 野球少年の心の動きの演技は全体的になかなかよくて、子供と一緒に見るならとか、べたべたの展開のある感動モノが好きな方にはお勧めできる。 まあ、そのレベルの作品ということか。 しかし、それよりオマケでついてた「CSI 科学捜査班」の第3期7話がとにかく面白かった。 こういうオマケは大歓迎。
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